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中国の大気汚染の原因は日本が向上を進出させたからなのでしょうか。

北京の大気汚染の原因を突き詰めた!? 緊急レポート! 北京の一般家庭の暖房事情
 1974年、鹿児島県生まれ。邱永漢氏に師事し、2005年より、チャイニーズドリームを夢見て北京で製パン業を営む荒木氏が北京の現状をレポートします。

 日本では今、北京の大気汚染が大問題になっているという。北京に住んでいる私がそのことを知っているのは、母から電話がかかってきたからだ。

母 『日本のニュースで北京の大気汚染がひどいってやっているけど、大丈夫なの?』
私 『ああ、ひどいけど、いつもと変わらないよ。』
母 『あなたのパン工場は北京の郊外だから、少しは空気がいいんじゃないの?』
私 『…そうだね。心配しないでね、じゃ!』

 ごくふつうの会話だが、このなかに北京(中国北部全般)の大気汚染に対する日本と現地の認識のズレがある。

 北京に暮らす人々からすれば、空気が悪いのは今に始まったことではない。「90年代の冬もこんなものだった」というあきらめにも似た声を、北京に長く住むスタッフたちから聞く。

 そうはいっても、今年1月の大気汚染は特別にひどかった。理由はいろいろいわれているが、もっとも印象的なのは、「今月は強い風が吹かなかったから」という政府機関の発表。たしかにそうだと思うが、そもそも風が吹かないとひどい大気汚染になること自体が深刻な問題だし、そんなことを言っているうちは永遠にこの問題は解決しないだろう。

日本人は、北京の大気汚染は中心部だけと思っているが…

 私の母をはじめとして、多くの日本人は、もっとも空気が悪いのは北京の中心部で、郊外はまだマシだと思っている。これが日本の常識だろうが、事実はまったく違う。都市中心部の大気汚染はたしかにひどいが、郊外もひどい。要は、地域全体がどこまで行っても大気汚染なのだ。

 人気のない山間部や海辺でもないかぎり、中国の華北・東北・西部地区ではこのような状況に大差はないだろう。

「それは郊外に大型工場や発電所があるからでしょう」と思うひとも多いのではないだろうか。もちろん、それも大きな原因だろう。しかしどのニュースを見ても取り扱いが非常に小さいが、(私が考える)重大な原因がある。
 それがこれだ。

 何だかおわかりになるだろうか?
 答えは、石炭を主原料とした燃料だ。中国語で『蜂窝煤(フォンウォメイ)』と呼ぶ。ハチの巣に似ているので、こんな名前が付いている。日本語に訳するとしたら、「ハチの巣炭」とでもなるだろうか。価格は1元前後。これが冬になると、想像もできない量、郊外で燃やされることになるのだ。
 私はこ蜂窝煤や、もっと大型ボイラー用の块煤(クワィメイ)が大気汚染の主犯格ではないかと睨んでいる。北京が位置する華北地域の冬は寒い。今年はとくに寒く、零下20度を超す日もあった。

 日本で暖をとるとしたら、エアコンかガス・石油ストーブなどが使われるだろう。しかし最高気温ですら氷点下という地域では、エアコンはそれほど役に立たない。都市部では、政府の管理のもと、巨大なボイラーで炊いたが温水パイプが、古い団地から新築のマンションにまで貼りめぐらせてある。このおかげで、実は北京の冬は、東京や上海よりも快適なのだ。部屋の中は下着で過ごせるくらい暖かい。


都市部の巨大ボイラーは、石炭燃料から石油、天然ガスへ切換えが毎年進んでいる。しかし、郊外の大部分の家にはこのシステムは普及していない。

 そこで大量に使用されるのが、安価に手に入る蜂窝煤や块煤だ。これを燃やして暖をとる。工場やちょっと大きな家は、自分たち専用の簡易ボイラーで块煤などの石炭を燃やす。ボイラーがない家は、鉢のようなものを使い部屋で炊く。そんなことをして、一酸化炭素中毒にならないか心配になるだろう。事実、大小の事故は毎日のように起っているようだが、重大事故は思ったより少ない。

 社員の家に食事に招かれることがあるが、ほとんど場合、部屋の中は非常に寒い。ガタガタ震えていると、そんなに寒いのかと私を笑う。で、蜂窝煤を焚いてくれる。ドアのたてつけは悪く、隙間風がヒューヒューと吹き、割れた窓は新聞紙で応急処置といった具合。なるほど、気密性の悪さが一酸化炭素中毒の少ない理由のようだ。

 成田から北京首都空港に降り立った瞬間、この石炭を焚いた独特の匂いが真っ先に鼻につく。この匂いを嗅いだ瞬間、自分が北京に戻ってきたことを実感する。
パン工場近くのボイラー用石炭の販売所
パン工場スタッフ 葉君の家にある家庭用石炭ボイラー

 3月になれば、春に発生する黄砂の時期を除いて、少しずつ北京のpm2.5の平均値は下がっていくだろう。次の冬まで……。



 この問題の根が深いのは、粗悪な石炭燃料から天然ガスなど他の燃料への転換が容易でないことだ。石炭燃料に頼っているのは、お金のない貧困家庭や郊外に暮らす人々、小規模工場だ。政府が販売禁止にでもしようものなら、代替品がない以上は暴動になる。かといって、平屋の多い郊外にまでボイラーシステムを貼りめぐらせるのも非現実的だ。

 要はどうにもならないのだ。

 政府は、自動車の排ガス規制、大規模工場への規制、発電所の改善など、まずやれるところから始めるだろう。それで効果が上がればいいのだが、期待どおりにはならない気がしてならない。

 私自身も風邪か大気汚染かは不明だが、1月10日の大汚染から咳が止まらず、たまらず北京の大学病院に駆け込んだ。レントゲンによる診断結果は気管支炎だった。さすがにまずいと思い、近くのセブンイレブンで「PM2.5対応」と記載されたマスクを購入した。

 今冬の大気汚染問題で北京の暮らしがどう変わっていくのか、引き続きレポートしていきたい。

中国・北京の旧正月の様子。このクラスの花火が道端で買えるのが中国。今年は、「東京大爆発」という花火が人気だったが当局が販売を中止させたという噂も。

文/写真・荒木尊史
1974年鹿児島県生まれ。2005年より、チャイニーズドリームを夢見て北京で製パン業を営む。邱公館(北京)食品有限公司。http://money.jp.msn.com/news/zai/%E5%8C%97%E4%BA%AC%E3%81%AE%E5%A4%A7%E6%B0%97%E6%B1%9A%E6%9F%93%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%82%92%E7%AA%81%E3%81%8D%E8%A9%B0%E3%82%81%E3%81%9F%EF%BC%81%EF%BC%9F-%E7%B7%8A%E6%80%A5%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%EF%BC%81%E3%80%80%E5%8C%97%E4%BA%AC%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%AE%B6%E5%BA%AD%E3%81%AE%E6%9A%96%E6%88%BF%E4%BA%8B%E6%83%85

  • 質問者:匿名
  • 質問日時:2013-02-23 19:27:51
  • 0

これだけの大気汚染を出すほど、シナにある日本企業の工場は多くないです。
石炭による工場や暖房の排気だけでなく、異常なまでの車の増加による排気ガスが原因で、シナの排気ガス汚染対策が進まない背景には、環境保護省よりも国営石油企業の方が力が強く、車の燃料の質が悪く、とくに硫黄分を多く含むディーゼル燃料の浄化処理が遅々として進まないことが、大気汚染に大きく影響しているみたいです。
日本企業の工場だけが責任があるのは筋違いで、まずは自分たちの汚染源を止めるのが先だと思います。

  • 回答者:匿名 (質問から31分後)
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とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

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違うと、おもいます。

  • 回答者:匿名希望 (質問から2時間後)
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参考になり、満足しました。回答ありがとうございました。

なるほど・・・・長い文章を読んだかいがありました。
石炭ですね! 前から、シナの石炭は質が悪いとは聞いていました。なるほど、こんな風に使われてるんだ・・・。それプラス車の排ガスですね。

  • 回答者:とくめい (質問から3時間後)
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とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

石炭文化であることは以前より知ってましたが、かなり酷いようですね。
あるレポートによると、このような石炭暖房による汚染が全体の20%を占めるとありましたが、もっとあるようですね。

ただ工場や発電所でも石炭は大規模に使われているらしいので、そっちも酷いとのこと。
残りはイオウ分を多く含む低品質なガソリンを使って走る自動車の排気ガスだそうです。

まあ一つ一つ解決してゆくしかないのでしょうが、道はかなり遠いですねぇ。

  • 回答者:匿名希望 (質問から6時間後)
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とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。
お礼コメント

日本が頼られて援助して恨まれるのでしょうか

日本が進出した工場だけではあそこまでの大気汚染になんかなら

なるはずがありません。自分たちが質の悪い燃料を利用しているだけで

単に日本に責任転嫁しているだけです。

  • 回答者:匿名 (質問から6日後)
  • 0
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とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

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