日本自体の課題がある・・・
江戸時代まで、ほぼ自然エネルギーだけで暮らしていた。
それが、帝国主義の外圧によって開国させられた途端、対抗処置として、富国強兵政策を実行してきた。
経済的には、この時点で、日本も資本主義を導入したと理解すべきだ。
日本人の文化レベルが高かったので、直ちに近代産業を起こし、人口も増やし、富国強兵政策は順調に実現できた。
その一方で、エネルギーと国土の急激な不足事態を招き、日本も帝国主義化して、海外へ進出、つまり大戦まで引き起こした。
大戦後も知識レベルの高い日本は、短期で復興した。
終戦後は、国際分業化が進んで、エネルギーは、輸入した方が安い状態となった。
しかし、石油ショックに至って、日本の産業界を支えるためには、自前のエネルギーとして、手っ取り早く、原発発電に乗り出した。
国際経済は、帝国主義から、資本主義、金融資本主義、市場至上主義に、変わってきた。
日本人の暮らしぶりを維持するためには、永いスパンで考える暇はなく、とにかく目先の利益に終始するようになった。
「この世は競争社会」、競争に負けたら生きてはいけない、思い込んできた。
悠長に、新しい安全なエネルギーを開発している余裕がない。
これが日本のエネルギーに対する姿勢である。
日本は、開国後、早い時期に人口爆発状態となり、その延長線で、現在、原発密度世界一になってしまったと私は、理解している。
日本が、必要な食糧は自国ですべて生産できるというレベルの人口枠であれば、多雨で急峻な地形を利用し、水力発電を主軸に、安全なエネルギーだけで充分賄っていけると考える。
しかし、江戸末期の国際環境では、日本が、この道に進むことは、かなり困難だったと思う。
人口爆発、エネルギーと食糧の自給、市場至上主義経済の3つの課題を念頭に入れておかないと、日本のエネルギー問題は、解決できないと思う。
エネルギー開発は、消費する側の問題でもあることを抜きに、語れない。
しかし、生命の存在そのものを否定する原発はだけは、抜きにして語らなければならないはずだ。