国土事情の違いが一番の要因です。
日本は資源が少なく、加工貿易によるところが大きいですので、
安定した電力を供給できるかどうかが国の繁栄に直結します。
各産業が立ち回らなければ雇用問題やインフレが加速することにもなります。
ドイツやイタリアで簡単に脱原発宣言できるのは、万が一電力が不足した際は
陸続きである隣国から電力を買うことができるためです。
しかし日本は島国ですので、隣国から電線を引っ張ってくることができず、
自国の電力は自国で作り出す必要があります。
長いスパンで考えれば再生可能エネルギーに転換していく方向になると思いますが、
太陽光・地熱・風力は効率面でまだ実用レベルではありません。
また古くから利用されている水力は、国土の狭い日本では飽和状態に近づいており、
これ以上のダム増設は厳しいでしょう。
利権という一面だけで論じている回答者さんがいらっしゃいますが、利権は日本のどの業界にもあることです。
たとえ原発に利権がからんでいなくても、現実問題としてすぐに原発をなくすことは無理です。
あくまで個人的な見解ですが、少なくとも5年から10年は現状維持になると思います。
===補足===
>原発が安定していますか。事故が無くても安定的に環境破壊をしているということで?
少なくとも現時点の再生可能エネルギーよりは安定しています。
環境破壊については、たとえば太陽光でもパネルによって日光を遮られたの微生物類の構成が
変わってしまうなど、予想しえない環境破壊が起こる可能性もあります。地熱・風力も同様です。
かといって火力を増やすのは(急場しのぎにはいいとしても)時代に逆行しており難しいでしょう。
もし増やすのであれば、国際社会から非難されても京都議定書の取り決めを無視する図太さを備えるか、
あるいは温暖化議論そのものをひっくり返すだけの根拠が必要になるでしょうね。
>5年10年、いや20年は、原発あってもよいと思う。その後のことをなぜ考えないのか。
繰り返しになりますが、現時点で再生可能エネルギーは効率が悪く実用レベルにありません。
その状態で皮算用してしまうのはあまりに無責任でしょう。
>原発をなくせ無い構造をせっせと作りあげたのですね。
太陽光については約40年前から研究され、研究費も計2兆円突っ込んでいます。
にもかかわらずこの程度ですから、この先どこまで発電効率があがるかは不明です。
他回答者さんへのコメントで気なったことがあります。
>水力9割の国もありますよ。
おそらくノルウェーのことだと思いますが、この続きは何をおっしゃりたかったのでしょう?
「だから日本も水力を増やすべき」ですか。それとも「水力を含め代替エネルギーの割合を増やすべき」でしょうか。
ノルウェーと日本では国土事情や人口密度があまりに違うため、比べるのはナンセンスだと思います。
日本・・・国土面積:約38万平方km、人口:約1億3000万人、人口密度:約340人/平方km
ノルウェー・・・国土面積:約38万平方km、人口:約500万人、人口密度:約13人/平方km
ノルウェーは日本に比べ、国民1人当たり享受できる自然の量が26倍あります。
これに国土面積中の水面積率まで加えて考えると、水資源占有率は150倍くらいにはなるでしょう。
こういった環境の違いがあるため、ノルウェーはほぼ水力のみで賄えるのです。
もし「水力を含め代替エネルギーの割合を増やすべき」だったとしても、
前述の通り代替エネルギーは効率が悪いため、「何年後までに」と期限を切ることもできない状態なのでしょう。