質問

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太陽光発電が普及すればピーク時電力対策になり、原発は要らなくなると思いますか。この人の言っているのは利点が多いですが、何か落とし穴ありますか。

真夏に頑張るソーラーパネル

　私の家ではソーラーパネルを設置しているので、設置後の電気代が激減しました。事務所と住まいが一緒なので、アシスタントさんが４人来た時などは月に５万円という時もありましたが、太陽光発電の導入後は、月平均で大体１万３千円以下です。それに売電が１万円以上、一番多い時で１万８千円くらい売ることもありましたから、うちではけっこう元を取っています。

　ソーラーパネルを日本中の家に設置すれば、原発を再稼動しなくてもピーク時の電力は足りると私は思っています。だって、電力使用量のピークは真夏の晴れた日なんですよ？そういう時はうちのソーラーパネルは頑張ってものすごく発電していますから。ピーク時に一番発電してくれるソーラーパネル、国民みんなが設置すれば、原発再稼動は必要ないと思います。

　と言うと、「いや、ソーラーパネルは気温が上がると発電効率が落ちる」とか言う人がいるんですよね。はい、うちのもそういうタイプのパネルですが、気温上昇で効率が落ちたとしても、カンカン照りの方が効果は大きいらしく、最高の発電量を示しましたから。確かに気温が低い方がもっと発電したかもしれませんが、気温による効率減少より、光の強さによる発電の方が大きかったというわけです。

節電、やって損なし！

　さらに言うと、ソーラーパネルの下はかなり温度も上がるので、冷やすための水のパイプをパネルの下に置けば、これはこれで太陽熱温水器になります。

　以前、ソーラーパネルと太陽熱温水器を屋根に半分ずつ設置する案を書きましたが、ソーラーパネルの下に水のパイプを通すのもいいアイデアだと思いませんか？パネル冷却にもなって一石二鳥！屋根が重くなるので、家を建てる基準など、法整備もしなくてはならないし、技術的な問題点もあると思いますが、原発を再稼動するより、太陽光の有効利用を頑張ってもらいたいと私は考えています。

　また、太陽光発電の良いところは、節電すればするほど売電量も増えるので、節電意識が高まるところです。節電って、やって損はひとつもないですね。どんな国の人も（たとえ原油産出国の人でも）やるべきことだと思います。

　そうそう、去年の節電でヒートアイランド現象が軽減した、というニュースをご存知ですか!? 冷房の排熱が減ったおかげで、都心と郊外の気温差が縮まったというのです。

　２０１０年７月、午後４時の都心４地点の平均気温と、郊外１０地点の平均気温を比べた結果、都心３１．２度、郊外２９．７度で、都心は郊外より１．５度も気温が高かったのです。ところが２０１１年７月では、都心は３０．４度、郊外は２９．６度。郊外より０．８度暑いだけにとどまりました。

　都心の気温は郊外に比べ、一昨年１．５度、去年は０．８度プラス。その差は０．７度です。ヒートアイランド現象による都心の気温上昇は１００年でおよそ２度といわれ、単純計算すると、１年間で３０年分以上、ヒートアイランドを軽減させる効果が出たことになるそうです。帝京大学の三上岳彦教授は、「節電の影響でエアコンの室外機など人工的な排熱が減った効果ではないか」とおっしゃっています。

　節電、やっぱり、やって損はひとつもないですね！

（2012年5月17日読売新聞）
http://www.yomiuri.co.jp/otona/life/ecolife/20120517-OYT8T00694.htm?from=yolsp