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バッハなど古い時代の楽器を演奏するのに、「ピリオド演奏」というのがあるらしいのですが、どんな演奏方法ですか?

  • 質問者:バッハ
  • 質問日時:2008-10-25 01:55:02
  • 0

回答してくれたみんなへのお礼

読み応えのあるご回答、ありがとうございました。とても勉強になり、クラシックの奥深さを知る事が出来ました。バロック時代の音楽を聞く楽しみが出てきました。

ピリオド楽器=その曲が完成した時代・演奏された時代の楽器(古楽器)
ピリオド奏法=古楽器を使った演奏。または、モダン楽器を使いつつ、
特にオーケストラや室内曲で弦に多用されるビブラートを使わずに、
作曲当時〜1930年代までのオケ編成や演奏スタイル・テクニックで演奏をすること。

ピリオド楽器=古楽器ということも多く、フルートは今は金属製ですが、
当時はリコーダーが横になった木管楽器だったとか、弦などの細かい
違い以外に、素材や音域、音の出し方、リードの扱いなど、様々な面で
違う楽器です。作曲された曲の時代、その当時のままの音で曲を
楽しむ・演奏してみるときに使います。

音階も、モダンと昔のは、ピッチがちょっと違います。
乱暴に言うと、今の調音は、ちょっと前まで一般的だったものに比べて
0.5ほど高いです。だから、今の音階で絶対音感がある人が聞くと、
違和感を覚える場合もあります。でも、当時の正しい音階です。
これには山ほどの種類があって、作曲者の時代やメイン楽器に合わせて、
どの音階で調律するかも、ピリオド演奏をするときの重要なポイントになります。

また、ほとんど現代の楽器(モダン楽器)を、モダン楽器の特製をほとんど
使わずに、原典通りに演奏することも「ピリオド演奏」と呼びます。
こういう場合、バイオリンの弦は、今使ってるものではなく、裸のガットにすることもあります。
モダン楽器でピリオド演奏の場合は、今はあっても当時は使わなかったり、物理的に
なかったりする演奏手法を一切使いません。
結果、弦の世界でも、派手さや華やかさよりも、音の質そのものの響きが重要になってきますね。
例えば、今なら多用される音をのばす部分の弦のビブラート、ピリオド奏法ではまったく
ビブラートを使いません。まっすぐな揺れない音で、その音の中で強弱や山場になる大きさが
あります。

バッハのフルートソナタあたりを、ピリオド演奏とモダン演奏で聞き比べると、
同じ曲での味わいや表現の違いがす〜っと入ってくる感じを持ちます。
特にこの曲の場合は、ピリオド演奏のはフルートトラベルソで演奏しているものと、
今の金管(笑)フルートとで聞き比べると、違いがものすごく分かりやすいです。

奏法が違う部分も多いですが、かなり近代の曲でも、ピリオド演奏にすると、
華やかだと思っていた曲が意外に重厚でしっとりしていたり・・・
同じ曲が時代によってどのように「流行」したのか、なんだかわかりやすくなりましたよ。
1900年代前半までは、オーケストラでも小編成でも、特にドイツやアメリカ、英国では
主流はピリオド演奏でした。現代風にダイナミックにあでやかな演奏を好んだのは
フランスのオーケストラでした。

超個人的な感想なんですけれど、ピリオド演奏は作曲者とその曲想が全面に
出て、モダン演奏は指揮者の性格が全面に出る感じもします。
一度、聞き比べてみるとおもしろいです。

【例:J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集】
 現代の演奏法→十二平均律で調律したピアノで演奏する
 ピリオド奏法→当時の一般的な調律(中全音律=ミーントーンか、ピタゴラス音律に近いもの)で
        チェンバロやクラヴィコードで演奏する

  • 回答者:美衣 (質問から3時間後)
  • 1
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とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

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当時の楽器を使い、当時の演奏方法で演奏することです。

・楽器
ストラディバリ等、現在まで残っている楽器のほとんどは後に手を加えられたものです。
改修された楽器をオリジナルのものに復元した楽器、古楽器をもとに復元された楽器を使います。当時使われていたであろう楽器を使わなければ、当時の演奏方法で演奏するのは無意味なものとなります。

・調律
鍵盤楽器では、調律方法も現代のものとは違います。現代の鍵盤楽器の調律は12等分平均律ですが、バロック時代は、主に不等分な調律で数種類あります。これらは時代、地域、作曲家、楽器、演奏する曲を考慮して適したものが選ばれます。

・音高、ピッチ
現代のピッチは、a=440ですが、多く使われているのが、a=415、半音低いピッチです。全音低い楽器、鍵盤楽器では、鍵盤を移動させ、トランスポージング、移調できる楽器もあります。ピッチは時代、地域により、まちまちで、現代に比べ、全音低いものから、全音高いものまであったようです。
バロック時代の歴史的パイプオルガンは半音高いピッチが多いです。

・演奏方法
当時の指使いは、残っている楽譜の指定を見ると、現代ピアノのものとはまるで違ったものです。楽器に、曲に合った指使いが選ばれます。フレージング、アーティキュレーションを考慮した指使いです。

  • 回答者:鉄器 (質問から11時間後)
  • 1
この回答の満足度
  
とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

先に回答された方が非常に詳しく陳べられています。拍手一つ入れさせていただきました。楽器はその表現力や音量を高めるために進化を続けてきました。その結果、バッハ等バロック派の作曲家が活躍していた当時の楽器と現在の楽器とでは、同じ通称で呼ばれていても全く別物となってしまっています。その作曲家がイメージした音を再現するために当時のまま残っている楽器(オリジナル楽器)やそのコピー楽器(オリジナルと纏めてピリオド楽器と呼ばれます)を使い、音程(ピッチ)や各パートの人数を残されている資料を基に再現しているとお考え頂いていいと思います。
例えば、当時のヴァイオリンは肩に乗せただけであごで固定していませんでした。そのためビブラートのような技法や音程の跳躍が難しく、曲も当時の演奏技法で演奏可能な音の配列になっています。
表現力が限定されるため、当時の演奏様式の再現だけでは「資料」の域を出ないものになってしまいます。
わざと音を濁してみるとか結構過激な表現をする団体(特にイタリア系)が多くなってきていますので、お聴きになるなら、先ずはクイケン兄弟やピノック、ガーディナーあたりから聴いてみてください。

  • 回答者: (質問から10時間後)
  • 1
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とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

periodには「時代」という意味があります

ピリオド楽器とはその時代の古楽器を指し
ピリオド演奏とは、時代考証をふまえ作曲や初演当時の楽器や
演奏様式で演奏するスタイルのことをいいます

  • 回答者:匿名希望 (質問から32分後)
  • 1
この回答の満足度
  
とても参考になり、非常に満足しました。回答ありがとうございました。

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