幾つかの事実はあるものの、多くは全くのフィクションです。
軸となる『シオン修道会』は実在してはいましたが、
1956年仏人ピエール・プランタールが友人3人と作り上げた実態のない組織で、
93年プランタール自身が捏造を告白しています。
『最後の晩餐』でマリアとされるキリストの隣に座る人物“ヨハネ”は、
12使徒の中で最も若く、ダ・ヴィンチ以前から中性的に描かれるのが常でした。
等々…原作者ダン・ブラウンの推理に基ずいて書かれたフィクションです。
しかし基本的な推理は『レンヌ・・ル・シャトーの謎』(82年)の盗用であるとして
裁判沙汰にもなりまた。
冒頭「すべて事実に基ずいて書かれている」とした一文が物議をもたらした事、
『キリストに子供がいた』と言うタブーに、バチカンが過剰に反応した事などが
より以上に小説のヒットに拍車を掛けたように思います。