「お疲れ様です」には大きく2種類の用法があります。
1、他人が何らかの労働や作業に従事したのを労う用法。
「お父さん、今日も一日お仕事お疲れ様でした。」
2、共同で労働や作業を行った人同士が互いを労う用法。
「(上司に)どうもお疲れ様です。」「(部下に)あ、お疲れ様。」
「ご苦労様です」は、
1、自分に対して直接・間接的に益をもたらす労働や作業に従事した人を労う用法。
「ご注文の品をお届けに上がりました」「どうもご苦労様です」
どちらも労いの言葉ではありますが、「お疲れ様です」が比較的身分に中立的に用いられるのに対して、
「ご苦労様です」は「奉仕」というニュアンスが伴って、
目上から目下に対して用いられる傾向が強くなっています。
特に会社などではこれを目上に対して用いないことがマナーとして確立しているようですが、
「お疲れ様」と「ご苦労様」は、過去を遡ると、古き時代の伝承するような業界などで、
師匠と弟子または同僚の間で使われていたようです。
一説によると昔は「ご苦労様」と「お疲れ様」を使い分ける習慣はなかったのだそうで、
現代になって、「お疲れ様」「ご苦労様」と表現が固定して慣用的に用いられるようになり、
現代人が、本来の意味に別のニュアンスが伴うようになったと考えられます。
ただ現代様式であっても、目上の方に「お疲れさま」と単に言うのはダメなようです。
細かい話ですが「お疲れさま "でした"」などが正解だそうです。
確かに「お疲れさま」ですと、目上の方が目下の方に使う言葉で「やあ、お疲れさん」と似たような響きになります。
以上を踏まえて、目上だろうと目下だろうと「お疲れさまでした」を使っておけば、
とりあえず問題はないという認識の方も多いようです。
逆に、「ご苦労さま」と「お疲れさま」を使い分けようとすると失敗することがありますよね。
「お疲れさまでした」で通すのが無難かなとは思いますが、
勤務している会社がどのように使い分けをしているのかを理解して、
使い分けをしていけば、まず間違いがないと思います。