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アメリカの2005年基準の14%と日本の2005年基準の15%では、だいぶ違うのではないでしょうか。アメリカは京都議定書では何もやっていないに等しいのに、日本はだいぶやってきました。これからさらに削減となると厳しいと思いますが、どう思いますか。

  • 質問者:猿
  • 質問日時:2009-06-15 19:40:12
  • 0

アメリカが京都議定書を批准しなかったのは、必ずしも環境問題に無関心だったからだけではなく、その内容がEUや途上国にとってかなり有利でアメリカにとって(ついでに言うと日本にとっても)かなり不利なものだったからです。
その理由は削減のベースとなる基準年の選択にあります。
京都会議は1997年に行われしたがCO2削減の基礎となる排出量は1990年に決まってしまいました。
実は、日本はもちろん、アメリカ、カナダなどは1990年以前にかなり積極的にエネルギー利用の効率化を図っていました。
一方、EU諸国やロシアは1990年代に入ってから急速にエネルギー利用の効率化が進みました。

つまり基準年が1990年に設定されたことによって、日本、アメリカ、カナダなどはすでにかなりの省エネルギーへの努力をした上で、さらなる削減が必要となったのです。
一方、EU諸国、ロシアなどは1997年の時点で会議で1990年からの削減目標とされていた数値はほぼ達成されていました。
例えばイギリスは京都会議で1990年から8%のCO2削減を約束しましたが、1997年時点ですでにCO2排出量は13%減少していました。
つまりイギリスは京都議定書を批准したことによってCO2排出量を5%まで増加させる権利を手にしたのです。
同じ理由で、ドイツはプラス11%、ロシアはプラス38%の増加枠を手にしました。

京都議定書は外交的な見方をすると、EU、途上国などにとっては大勝利で、日本、アメリカ、カナダなどにとっては大きな失敗です。
CO2の削減は環境対策であると同時に、経済活動を抑制する結果も招きます。
EUなどは京都議定書によって日本やアメリカなどの経済活動に間接的に影響を与えることもできた上に、自国は全く負担がないのですから、当然、その実行を強く迫ります。
一方、会議の結果CO2削減を義務づけられた国は、基準年の決め方の不公平さなどからアメリカやカナダは京都議定書から離脱しました。
つまり全世界で真面目にCO2の削減に取り組んでいるのはほぼ日本だけと言っても言い過ぎではない状況です。

もちろん、CO2削減のために努力するのは悪いことではありませんが、日本だけが過度の負担を押し付けられることはいまひとつ納得できませんし、それでも日本は国家の姿勢としてそれをやるというのなら、上記のような事実をみんなが理解した上で、国民的な合意を形成した上で行うべきだとぼくは考えています。

日本は1990年以降、CO2排出量は増加しています。アメリカはそれ以上のペースで増加しています。
2005年基準での15%削減は日本だと2000年基準の6%削減とほとんど変わらないらしいのですが、ご指摘の通り、アメリカにとってはかなり有利になります。
ただ、そのことによって世界最大のCO2排出国であるアメリカが再び削減協議の場に出てくるのであれば非常に意味のあることだと思います。

現在ではさまざまな国がそれぞれの思惑から基準年の変更を訴えています。
また、基準年のCO2排出量の計算基準も見直しが図られています。
あまりにもいろいろな変更が加えられてしまったために、素人では問題の本質が非常に見にくくなってしまった印象があります。
環境問題への対応は非常に重要だと思いますが、その一方で国際政治の中では政治的な意図がかなり絡んだ問題となっています。
表面的な部分だけを議論するのではなく、そういったことも考慮の上で、ただ闇雲に自国の負担を減らすだけではなく、世界中で本当の意味での環境対策が進むような対応をしていくことが必要だと思います。

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1990年代に米国にいましたが、非常にエネルギーは非効率だと思いました。それ以前よりは改善されていたんですね。

上記を読むと、環境対策ってなんなのか分からなくなってきました。フランシス・ケアンクロスの『地球環境と成長―環境に「値段」をつける』をまた読みたくなってきました。

現在の基準は不十分ですね。公平で、真実に基づいた基準が必要なのだろうと思います。現在の基準が有利な欧米はその基準開発にとりくまないでしょうから、論理的に納得させられるような基準作りを日本がやればよいのかな・・・?

並び替え:

厳しいけど、電気や車のエネルギー源をCO2は排出しない物に変えて行くしか、質素で省エネな生活をして行くしか無いんじゃない。 我が家は今年から、少なくとも電気代の50%以上(先月からの3カ月に関しては、100%以上)、太陽光発電で賄っているから、去年に比べて大幅にCO2の削減が出来たのではないかと思っている。

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そうでした、シティーさんちは太陽光でしたよね!

グリーンニューディールで一気に時代のページがめくられるか、みものですね。

鉄鋼メーカー勤務です。オイルショック以降、会社は、環境改善にかなりな投資しており、これ以上の削減にはかなりな金額を要するでしょう。アメリカは、排出権購入もカウントしますが、日本は真水(自国で削減したもの)です。経済界は、納得するのか不明です。

  • 回答者:天下 (質問から16時間後)
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正比例じゃないんですよね。やればやるほどコストが割高になっていく・・・。

そもそもカウントの仕方が違うのは、まったくおかしいと思います。

厳しいと思いますよ。

  • 回答者:sooda (質問から6時間後)
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かなり厳しいとおもいますね。
現状でもかなり削減していて、これ以上できるのか?と思います。
アメリカが何かしないと大きくはかわらないでしょうね。

  • 回答者:匿名希望 (質問から4時間後)
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ぜんぜん違います。
日本は世界での発言権を強くしたいので、かなりきびしい
数字を出しましたね。

  • 回答者:にほん (質問から4時間後)
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