①です。
小泉氏は大した事を考えていたわけではありません。皆さん買いかぶりすぎです。特殊法人へ湯水のように流れる金を止め、この流れに群がる議員諸共ぶっつぶしてやるという主君(福田赳夫)の仇打ちを考えていただけです。この単細胞に金融工学好きでマクロ経済に疎い竹中平蔵が加わったので、ただ、「改革」と「グローバリゼーション」という掛声だけで日本のあらゆる産業を巻き込んで規制緩和や経営スリム化、時価総額の極大化に走りました。世界標準が必要な産業とそうでない産業はあるのですが、そんな仕分けをする頭もない内閣にこの国のかじ取りを任せたことが今の日本の不幸の元凶です。
郵政資金はその資金運用に箍をはめる法案をつくり、地道に特殊法人の解散を実行していけば特に三井住友グループの餌食になる必要はなかったはずです。
小泉氏は運が良かった。自分の仇打ちが丁度年次改革要望書の内容とも合い、資金運用については、竹中グループを使うことで(当時りそな処理のどさくさで繰延税資産基準変更を銀行に飲ませた実績がある)内閣の本気度が官僚にも伝わっていたはずで、すんなり身内ともいえる人員で日本郵政の役員構成を進めることができたということです。
運も実力のうちかと言ってしまえばそれまでですが、この場合、自分の田中派に対する恨みがもっと巨大な結果を生んだことを、何も考えないで運が良いと言っているにすぎません。端的にいえば馬鹿にしているのです。