人を殺すことをしてはいけないのは、損得ではない道徳的なものです。
しかし、人は今、損得でしか物事を判断できなくなっているのです。
子供がうっとしいから殺す。
親の介護がしんどいから殺す。
今の世の中がしんどいから死ぬ。その前に一回、人を殺してみたかった。
あいつらがうざいから殺す。
みんなと一緒に死にたかったなど。
これらはすべて損得勘定で考えているが故です。
情けは人のためならず、がなぜ誤用されるのか。
そういうところにあると私は思います。
人を思いやるだとか親切にするとかは道徳的なものです。
そういったことを学校で教えなくなった。
そして、大人たちは卑怯であることしか子供は学ばなくなった。
また宗教観が薄れてきたというのもあると思います。
世の中において神の存在を否定し科学を信仰し始めてから、あの世や地獄の存在に否定的になってきました。
しかし、一方で救いを求めている。それを紛らわすための労働や学業。また救いの手段として、趣味などの楽しいこと、あるいは新興宗教やスピリチュアル、占いといった霊的なこと。
そして、救いがなくなったと思ったとき、人は命を大切にしなくなる、自暴自棄になる。
だから、人は殺すし、人は殺されると思います。