情報を得て、それをどう活用するか、その目的によって判断が分かれるところだと思います。
情報の質という点だけ見れば、ネットだけでなんら問題ないと考えます。報じられている「事実」は、ネットであろうと、新聞であろうと同じはずなので。
しかし、情報の活用の仕方、お目当ての情報にたどり着くまでの経路というか、プロセスによって判断されたほうがよいのではないでしょうか。
例えば、さまざまなニュースサイトにざっと目を通す場合、見出しは1~2行くらいですよね。
で、そこでご自分の気になっているキーワードのようなものがヒットして初めて記事を全部閲覧しようとする方が大半だと思います。
特定のジャンルの情報を求める方はこれで十分かとも思いますが、
例えばお仕事がら、不特定多数の情報から有益な情報を拾い上げて自分の物とするというスタイルの方は、やはり新聞も有効ではないでしょうか。
お気づきかもしれませんが、新聞記事というのは、大見出し・小見出し・本文・(場合によっては)写真から形成されていますが、①大見出し②小見出し③本文の最初のパラグラフ――これだけ読めば、最低限、それがどういう記事なのかわかるようになっています。いわゆる5W1Hがすべて網羅されているということですね。
あと、新聞は、物理的に紙面を広げますので、整理されていないまでも、とにかく雑多な情報をひとつのテーブルに乗せてしまうということだと思います。いっぺんに一つのテーブルに乗せてしまいさえすれば、自分の必要とする情報がまず視覚的に、ココにあるというのが感覚的に分かりやすいですよね。
蛇足ながら、私は「速読」が出来るのですが、自分で決めたキーワードは、文字というよりも「図」「絵」としてすでに脳で認識してしまっているので、新聞には物理的にさまざまな記事が出ていますが、ばっと広げてそのキーワードが本文の中に小さく出ていても、あっという間に見つけられます。個人的には、必要なキーワードを瞬時に発見できるのが新聞の魅力です。
さらに蛇足ながら、日本経済新聞の朝刊の全ての記事を「熟読」すると、8時間を要するそうです。しかしながら、日本新聞協会の調査などによると、実際、読むのに使う時間は平均23~26分。つまり、読者がいかに見出しだけを見ているかという証明です。逆に言えば、記者や新聞社は、見出しや最初のパラグラフでいかに簡潔に情報を伝えられるか、そこに注力しなければいけない時代ということだと思います。