現役の百貨店マンでございます(大手じゃないけど)。
いやいや・・・耳の痛い話しです。先に回答しておられる方々のご意見を読みますと
滅びの道をまっしぐらなのかなぁ、と暗くなっちゃいますね。
まず業界全体の売上高ですが、確かに低下してます。バブルがはじけてから、
ずーっとこんなですよね。で、経営破綻した百貨店が淘汰されて、店舗数が減少。
店舗数が減少してるから、そりゃ売上も減りますよね。
そうなった原因は、表面的には、90年代前半にあった「大規模小売店舗法」が
「大規模小売店舗立地法」に切り替わったのが大きな契機だったように思います。
これにより、大規模小売店の出店条件が実質的に緩くなりました。旧法では、
地元の商業者あたりが反対すると出店できなかったんですが、立地法になってから
商業者は出店に対して何も言えなくなってますからね。
このため、地方だと郊外への大型店の出店が加速されました。イオンなんかが
大型のショピングモールをドカドカ出店して、本体のジャスコに大小のテナントを
誘致してます。出店テナント数が100や200なんて、もう驚かなくなりました。
郊外だから、土地も安いから、店舗自体に加えて、駐車場などの附帯施設もバカ
みたいにデカい規模で作ります。もう、露骨に「かつての中心商業地域から、顧客
を奪ってやろう」という、既成の商業構造に挑戦してきてくださってるワケです。
だから、かつてのターミナル型の中心市街地で商売している百貨店をモロに潰しに
かかっているんだろうな、と思います。
かつては、同業の百貨店間の生存競争でした。それによって、競い合って業績を
伸ばしてきた百貨店業界ですが、イオン等の力量を甘く見ていたということでしょう。
勿論、気付きはしたのですが、完全に後手に回ってしまったというところでしょう。
既存店舗を容易には撤退させられないですからね。
私から見ると、郊外のショッピングセンターの造りはローコストに徹しているな、と
思います。拠点を作って、早く投資を回収できるようにしてる。不採算店舗になったら
とっとと撤退してやろう・・・という感じ。百貨店は、昔からのプライドみたいなもんが
邪魔をしてしまうので、そうした環境変化に対応しにくい。その辺の差が、百貨店
業界の衰退に繋がっているような気がします。