結論から言えば、私は進学に賛成です。
まず、就職についてですが、他の人も答えていますが、企業の数年後なんてわかりません。下半期のことさえわかりません。この時代の中で、「堅い企業」や「将来の保証」なるものは常に流動的であるとお考えください。
それに、高卒での就職となるといろいろと制限も増えてきます。知識を習得しての就職ということで、入社後即戦力として期待されるのは大きいですが、それも入社してから数ヶ月〜一年くらいでしょう。現場に入ってから学ぶことの方が多いのですから、それ以上の知識や技術がいつでも求められています。これは就職・進学に関わらず、社会に出たら必要なことでしょう。
また、出世に関わる問題でもあります。高卒ならば技術分野の現場での仕事が増えると思います。多くの人を見ていますが、残念ながら収入が初任給から大きく増えることもなく、出世も良くて現場監督といったところです。出世が全てではありませんが、それこそ将来、結婚して家庭を持った時にきれいごとを言ってはいられません。なにより、知識も技術も自分より劣る大卒の新人が、自分より多く給料をもらい出世していく・・・。その現場で底辺を支え続けるのは、相当高いモチベーションを必要とします。一生懸命働けば働くほど、かえって空しさが募るのではないでしょうか。
では進学はどうでしょうか。
正直、大学の工学部は、工業高校の出身の人からは異世界です。まず物理や数学が大好きで得意な人が大勢集まっています。工学とは関係のない基礎/専門的単位の獲得も必要です。そんな中で苦労をし、悩み、4年では卒業できなかった人、ドロップアウトしてしまった人も大勢います。大学院への進学がなければただの高給取りと見る企業もたくさんあります。
工業高校からの大学への進学は、ハードルの高いものになると思います。
私がお進めしている進学とは、大学以外の選択肢も考えてはどうかという話です。
高等専門学校や職業訓練大学校などです。工業高校以上の専門知識/技術を習得でき、学歴を積むこともできます。また、卒業後に4年生大学の3年生へ編入も可能です。その場合、必須単位の免除もあります。就職時も、3年時編入以前の経歴をプラスにできる場合もあります。
高等専門学校から3年時編入し、大学院へ進学した知り合いもいました。それももちろん可能性としては多いにありです。就職も教授からの推薦で決めていました。
大学へ行くというのは、いろいろと必要のないことも経験していくということです。数学、物理学、語学、一般教養なども単位を獲得しなければいけません。
それも含め、一つの経験として考えられるのならば、ストレートに大学へ行くのもいいと思います。
最終的におすすめするのは、資格の獲得です。就職時、他の人に比べて少し光る履歴書を書きたいと思いませんか?
高等専門学校や職業訓練大学校などの履歴は大きいと思いますし、危険物取り扱いや測量士、○○技士、○○技術者などの資格も魅力です。
そういった資格を習得するのに進学後の時間を使うのが、有効だと思います。