私がDVDで繰り返し観ている大好きなEurope映画の3本です。
大傑作ではないけれど、素晴らしい作品ばかりだと思っています。
①「殺しが静かにやって来る」・・・西部劇(68年イタリア・フランス合作)、原題:IL Grande Silenzio
主演:ジャン=ルイ・トランティニアン(役名:サイレンス)、クラウス・キンスキー(役どころ:悪の賞金稼ぎ)
観た後、空恐ろしくなるという言葉がピッタリ当て嵌まってしまうマカロニである。
巷の噂で、大体予想はついていたが、それにしても強烈ですね、このLastは。
又、エンニオ・モリコーネのThema曲が異常に哀愁を帯びていて、『こりゃLast SceneをImageして書き上げたんだろうなぁ』と思ってます。
Last5分だけで30回は再生しているので、当分、脳裏に残ってしまうでしょう。
私はコルブッチ作品では巷の評判は良くないが「スペシャリスト」も好きで(「続・荒野の用心棒」はまぁまぁ)、
この「殺しが~」でもジャン=ルイ・トランティニャンが
ジョニー・アリディ並みにカッコ良いんだろうなぁと思っていたら、
『いやいや、ジャンよりもクラウス・キンスキーの映画だ』って考えを訂正しました。
完全に食ってますね、脇役が主役を。
あのパツキンにギョロメでモーゼル・ミリタリーを拾い上げる姿は最高です。
マカロニ史上、最もカッコ良いワルでしょう。
StoryはマカロニによくあるPatternで然程新味はありませんが、役者の魅力とこの作品の持つ独特の雰囲気(これもジャンとクラウスの存在の賜物か?)、
そして白銀の世界で繰り広げられるGun Play(AcrobaticなAction Sceneはマカロニにしては少ない)プラス何度も言うようだが、強烈なLast。
これだけで、マカロニFanならDVDを買う価値ありです。
もう一つのEndingは駄目です。必要なし。
DVDの特典映像でコルブッチ未亡人がAmerica用に撮ったんだと話しておりましたが、あんなEnding、Americaで受けたんでしょうか?不思議です。
②「死神の骨をしゃぶれ」・・・刑事物(73年イタリア映画)、原題:La Polizia Incrimina、LA Legge Assolve
主演:フランコ・ネロ(役名:ベルリ警部)、フェルナンド・レイ(麻薬シンジケートの悪玉カフィエロ)
この作品、大阪ではRoad Show公開されず、いきなり2番館行き。
しかも2番館からは邦題も「超犯罪ハイクライム」にすり替わり、結局、浪速の街では「死神の骨をしゃぶれ」という素晴らしい邦題では上映されませんでした。
この作品が製作された73年前後と言えば「ダーティハリー」に「フレンチ・コネクション」が大Hitした影響で刑事Action物が粗製乱造されていた頃である。
その波は当然の事ながら、Hollywood映画の模倣ならお手の物であるItalyにも押し寄せてきて、トーマス・ミリアンの「ミラノ殺人捜査網」やセルジオ・マルティーノ監督の
「イタリアン・コネクション」といった作品が製作された。
その中でScaleの大きさ、Car Actionの凄さ、Storyの面白さ、そして主人公のカッコ良さにおいて群を抜いているのがこの作品であろう。
兎に角、Genovaの街を駆け巡り、ハァハァ息を切らしながらの演技を熱演するネロさんが素晴らしいの一言。
60年代のマカロニで見せていたCoolなCharaを捨て、70年代からは「ガンマン大連合」や「警視の告白」などでHotなCharacterで売り出したネロさん。
その集大成がこの作品だと言えるのではないか。
娘を無残にも殺され、怒りに燃えるベルリ警部をマカロニで鍛えられた卓抜なAction演技で見せるネロ兄い。
クドイようだが、カッコイイという形容詞しか浮かばないのだ!
冒頭でのCar ActionはHollywood製Car Actionに勝るとも劣らない迫力であるし、Climaxでの銃撃戦も非常に見応えある。
ジェームズ・ホイットモア演じるスカビーノ署長とベルリ警部との操作を巡っての大激論は「警視の告白」の模倣かもしれないが、これも見応えあります。
そしてLastでの思わず声を上げたくなる1Cut。これには流石に驚かされました。
まぁItaly製Actionですから、結構大味ですが、屁理屈捏ねずにネロ兄ぃのカッコ良さに見惚れてしまいましょう!
③「暗黒街のふたり」・・・人間ドラマ(73年フランス映画)、原題:Deux Hommes Dans La Ville
主演:アラン・ドロン(ジーノ・ストラブリッジ)、ジャン・ギャバン(ジェルマン・カズヌーヴ)
後にも先にもFrance映画界を代表するであろう2大名優が「地下室のメロディ」「シシリアン」に次いで3度目の共演を果たした作品。
前2作も見応えのある素晴らしい作品だったが、この「暗黒街のふたり」もStoryとしては1番地味ではあるが、決して遜色ない逸品である。
翳りのある役をやらせたら右に出る者はいないアラン・ドロンが、元強盗団の首領で、刑務所を出所したばかりの前科者を演じ、
ジャン・ギャバンは陰になり日向になり、ドロンを支える保護観察官という、これまたピッタリの役柄。
一生懸命に更生しようと頑張るドロンに執拗に纏わり付くミシェル・ブーケ演じるゴワトロー主任警部が兎に角、憎々しい。
「汚れた刑事」でも執念深い刑事役を演じていたが、今作でも、虫唾が走るような冷血漢の刑事役を見事に演じている。
これで恋人役のミムジー・ファーマーがCuteだったら、CastingはPerfectだったんだが、惜しい。
全編、哀しい雰囲気に包まれた、本当に虚しい人間Dramaではあるが、Hollywoodでは到底撮れないと思われる秀作である。
Lastは余りにもあっけないのだが、それが更に哀愁を帯びたものとなっている。
フィリップ・サルドのThema曲も文句の付けようがない。
いやー、ホンマニ良い映画です!
- 回答者:Franco Nero (質問から10時間後)
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