銀行の外貨預金を見たのですね。NZドルの定期預金金利、高いですよね。
手を出す前に・・・
まず、よく銀行の手数料を計算してみてください。
(1)円→NZドルにするときの手数料、満期になってNZドル→円にするときの手数料。
(2)円→NZドルにするときのレートとNZドル→円にするときのレートの差(為替レート変動がなくてもすでに銀行側で差分を取っています。スプレッドといいます)
(3)恐怖の為替レート変動。
まず、(1)(2)を為替レートが全く動かなかったと仮定して、冷静に計算し、最終的に円に戻すときの金額を把握してください。金利の数字だけで飛びつきがちですが、半年や1年で解約するのならそれほどの魅力的な額にはならないはずです。銀行のキャンペーン金利なども要注意です。最初の1ヶ月分だけの高金利だったりというケースもあります。
そして、(3)。短期で解約するつもりならハイリスクです。NZドルの為替レートは、80円以上は高めなので手を出さないほうがいいです。79円以下ならここ数年なら安いほうですが、過去のレートを見ると40円台(半分になってしまいます!)という歴史もあります。昨今の乱高下する相場では70円割れしても全然おかしくありません。
昨年は円キャリートレードが流行し、NZドルなどの高金利通貨に人気が集まってレートが暴騰しました(97円をマークしました)が、今年はサブプライムショック以降、高金利通貨に流れていた投機マネーがサーっと引いてしまい、サブプライムショックの初期は73円台をマークしました。20円も一気に下がることがある通貨なのです。
仮に10万円分を97円のレートのときに買ったとします。1030NZドルになります。
20円レートが下がって77円になると、この10万円は、79,310円になってしまいます。2万1000円損します。どんなに高金利でも2万1000円分の利息が貯まるまでどれぐらいかかるでしょう・・・。でも97円のときにまさか半年しないうちに73円まで下がるなんて、そのとき定期預金した人は思っていないですよね。これつい最近のお話。
もし暴落したら塩漬けにして5年や10年利息をため続けるので解約しなくてもいいお金だというのでしたら、大いに投資価値があると思います(余裕資金で)。そういうことであれば、買ったときのレートを上回るのをじーっと待ってから解約すればいいですね。しかし何年も戻らないことだってあります。例えば、昨年の高値97円は次は何年後に97円になるかわかりませんよね。もうないかもしれません。
逆にこのお金の必要な時期が決まっていて1年ぐらいで解約しなくてはならないのなら外貨預金に元本保証など絶対ありませんので円定期預金をお薦めします。
あと、為替レートの見方ですが、米ドル以外はクロス円といって、米ドル-円のレートと米ドル-NZドルのレートの組み合わせで成り立っています。
例えば、
・米ドル-円 103.00円
・NZドル-米ドル 0.7700米ドル
→NZドル円=103.00×0.7700=79.31円
という構造をしているのです。
ドル円が115円ぐらいだった頃、NZドル円が80円の時期がありました。ドル円が103円の今もNZドル円が80円。これはどういうことかというと、NZドル-米ドルのレートが現在、天井圏にいるのです。0.7500~0.8000というのは最高値圏です。米ドルの買戻しが起こり、円高が現在のままだと、あっという間に70円割れしてゆく可能性も否定できません。NZドル-米ドルのレートの動きも参考にされるとよいかと思います。
これらを承知の上で、長い目で望むのでしたら・・・と思います。
(ちょっと脅かしすぎかもしれませんが、ドル円100円割れなど、「まずないだろう」ということが最近特に外国為替相場で起こっていますので・・・)