ミツバチの毒ではアナフィラキシーショックは起こりにくいのに、なぜスズメバチの毒では起こるのですか？|質問・相談が会員登録不要のQ&AサイトSooda!(ソーダ)

その違いは皆さんのおっしゃるように毒の成分の違いにあります。
ただ、ミツバチの毒でも十分にアナフィラキシーが起こりますので、お間違いなく。養蜂家の方などは、これに備えてエピネフリン（アドレナリン）というアレルギーに対処する薬物を持っていると思います。
ハチ毒には、アミン類（ヒスタミン：アレルギー物質）、酵素（ホスホリパーゼ：人の細胞膜を壊してしまう）、ポリペプチド（いわゆるタンパク質）などがありますが、スズメバチではアミン類の種類が多いですし、違うたんぱく質成分を持っていますし、特徴的なのが、プロテアーゼというたんぱく質分解酵素を持っています。これらの違いが毒性の強さの違いです。
さて、問題になっているのが、なぜ毒性の強さでアナフィラキシーの起こりやすさが違うか、ということのようですね。
今回の免疫対象になるのは毒という異物（抗原）です。体内に侵入した時にこれを排除する抗原抗体反応という仕組みで異物を排除します。ハチ毒に対してはIgEという抗体が立ち上がりやすいようです。IgE抗体は異物にも結合しますが、肥満細胞というヒスタミンなどを持つ免疫細胞に結合して、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターと言われる物質を放出させて免疫を増強して、頑張って排除するように働きます。しかし、この物質、過剰にでると（Ⅰ型）アレルギーの原因となります（食物アレルギーや花粉症などと一緒です）
毒性が強いと、IgEがたくさん出動するため、ケミカルメディエーターが大量に放出され、アレルギーが起こりやすく、ひいてはアナフィラキシーショックが起こりやすいこととなります。
２回目以降になりやすいのは、最初の異物の侵入によって作った抗体を、再度作れるように記憶する細胞（免疫記憶細胞）が作られます。そのおかげで同じ抗原が２回目に体内に侵入した時には、１回目よりも急速で、かつ、大量の反応を起こすことができます。ですので、１回目でアナフィラキシーが起こらなくても、２回目以降でアナフィラキシーが起こるリスクがどんどん高まっていくことになります。

結局の所、ハチ毒で死ぬ、というよりも、自分の細胞が放出する物質でアレルギーを起こして、気道上皮細胞が炎症で膨らむことで、気道を閉塞して窒息で死ぬということです。悲しいものです。

余談ですが、花粉症でアナフィラキシーショックが起こったという報告はされていないのですが、同じ原理なのに、なぜアナフィラキシーショックで死ぬ人がでないのか、と疑問視されているようです。もしかしたらいつか花粉症でアナフィラキシーで死亡のいう話もあるかもしれませんね。ひどい花粉症の人は気を付けないといけませんね。

回答者：IgEの量の問題です (質問から5日後)
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