72歳の老人の経験です。
私は、54年前に手編みの手袋を貰いました。嬉しくて、勿体なくて一回も使うことが出来ませんでした。
しかし、どうにもならない理由があって、この恋は喧嘩別れではなく、残念ながら実りませんでした。しばらく経ってから、風の便りで結婚したことを知りました。
その後もこの手袋はずっと保管し続けました。20年くらい経過してから、不注意から虫がついてしまいましたので、残念でしたが心で詫びながら処分しました。
その後偶然に消息を知り、20年前くらいから電話で話をする機会が出来ました。大変嬉しく懐かしく喜んでいました。1年に1回くらいの電話での近況報告程度が続きました。
その「野菊の如ききみ」も、今年の早春に心筋梗塞で突然次なる世界に旅立ってしまいました。体中の力が抜けた思いでいます。
大好きな人から手作りのマフラーを頂いて喜ばない人は、恋愛をする資格がない人だと思います。今時、こんなすばらしいことを考えられる貴女はきっと優しい素晴らしい人ではないかと、昔を思い出しながらほほえましく、気持ちよく楽しく考えているところです。