すべてのカテゴリ » 美容・健康 » その他

質問

終了

母が今年の一月からリュウマチの治療でアクテムラという薬を投与しているのですが、甲状腺の手術もすることになりました。そこで、アクテムラ投与中、手術のご経験のある方、また、ご存知の方おりましたら教えてください。ちなみに手術は全身麻酔になるようです。

  • 質問者:ぽぽぽ
  • 質問日時:2010-02-09 15:09:14
  • 0

並び替え:

リウマチ関節炎でアクテムラを投与している方が,おそらく,自己免疫性甲状腺疾患(たぶん手術するのでバセドウ病)にかかり,コントロールが悪いか,肝障害などの理由で抗甲状腺薬がつかえないという理由で手術に踏み切るということだと思います.

アクテムラはご存知の通り,インターロイキン(IL)-6という免疫賦活物質をピンポイントに抑える薬であり,免疫反応である炎症が強くなって関節を破壊する関節リウマチの治療においては,原理的に有望であり,実際に劇的によくなったというケースも多くみられるお薬です.手術前の方には使わないほうがいいといえばそうでしょうが,使わないとリウマチの炎症が抑えられないのでしたら,コントロールされてないリウマチの方の手術にもリスクを伴うということは言えます.

一方で,IL-6は免疫賦活物質ですので,これを抑えてしまうと,免疫力が弱くなってしまうという副作用も考えられます.
手術は,滅菌した器具と消毒された部屋で実施しますが,100%感染しないということはあり得ず,そこらへんよりは遥かに綺麗であっても細菌などがひとつも傷につかないようにすることは現実的に不可能です.
ですので,通常は,術後に抗生物質を投与し細菌を弱らせるとともに,自らの免疫で最後は細菌を除去するという過程を経ながら,傷が治癒するのを待つことになります.
アクテムラ投与中の場合,免疫が弱い可能性がありますから,この手術中~傷が治るまでの間の感染を来す可能性が,なにもない患者さんよりも高いと思います.

それ以外に心臓などへの副作用報告もありますので,循環機能(心エコーとか)は事前にしっかり行われるとおもいます.通常,手術によるメリット(バセドウ病の悪化による心不全などでの死亡の可能性を回避できる,その他)と,リスク(一般的な手術することのリスク,アクテムラによるリスクの増大など)を考え,メリットがリスクを上回る状態であれば手術をおすすめすると考えられます.

たとえていうなら,飛行機に乗らないと商談には遅刻してしまうが,飛行機には墜落する可能性もある.それに,そこまで行くのには経営破綻したJALの便しかないけど,乗りますか?やめておきますか?というのと似たような話になってしまいます.

これら個別のリスクというのは,お母様の病状にもよるので,アクテムラ投与中の手術に対するご不安があるのでしたら,まずは主治医の先生にどのようなリスクが考えられ,そのリスクを冒しても手術をやった方がいい理由(あるいは,手術をおこなわないとどうなってしまうおそれが強いのかもふくめて)をよく聞き,現状考えられる治療の選択肢を挙げていただいて(それぞれに,すべてそれなりのメリット・リスクはあるわけです),納得したうえで,自分や家族にもっとも適するであろうという選択肢を患者さん側の責任で選ぶのがよいと思います.

===補足===
実際,難しいところです.リウマチ自体慢性疾患なので,アクテムラ投与をやめることはリスクが高いし,他にメトトレキセートとかタクロリムスというような免疫抑制剤を使うほうがリスクは高いといえますし,バセドウ病であるとすると,これも,手術が必要なものを放置しておけば心不全になったり,甲状腺クリーゼといって甲状腺が暴れてしまい,にっちもさっちも行かなくなる状況もあります.
アクテムラ投与が不必要な状態になる確証があるなら,それまで待つべきかもしれませんが,その見通しが立たないか,立っても何年も先でその間に甲状腺がとらぶったら最悪な状況になるという可能性があれば,「アクテムラで比較的小康を得ているうちに,甲状腺のリスクをへらしておくのが最善」という結論に至ることも頷けます.
やはり,主治医の先生ともよくご相談いただき,納得がいかない場合には,セカンドオピニオンを求めたいということで,主治医の先生に紹介状を頂いて,もう一人別の先生にも良くご相談いただいてご意見を貰い結論をだすのがよいと思われます.
いずれにせよ,お大事になさってください.

  • 回答者:匿名 (質問から2時間後)
  • 0
この回答の満足度
  
お礼コメント

たいへん丁寧なご回答、ありがとうございます!やはり、免疫力が低下するアクテムラ投与中の手術は、並行しては避けた方がよいかもしれませんね。

関連する質問・相談

Sooda!からのお知らせ

一覧を見る