みそかい橋。
あるところに住む若者は貧乏でこの先のことを考えると虚しくなるばかり。
そんなある日、仏さまが枕元に現れて・・・
ある街の味噌買い橋で良い話しが聞けるとお告げがありました。
半信半疑でその街へ行き早く用事を済ませて探した橋は誰も知らない小さな橋でした。
その橋の向こうに味噌屋があって、近所の人たちが味噌を買うために渡る橋を味噌買い橋と呼んでいました。
その橋の上に若者は立って橋を渡る人の話しを耳をすませて聞いていました。
だけど、日が暮れる頃まで待ってもこれは良い話だと思うものはなく、諦めて若者が帰ろうとしたときです。
ひとりの老人が若者に声をかけました。
「あんたずっとそこに立って何をしてたんじゃ?」と。そこで仏さまの夢の話を老人にすると、老人は笑ってこう答えました。
「そんな話しを信じてどうなる。わしは昨日枕元に仏さまが現れて、どこぞにある家の裏に宝が出る夢を見た。どーせ夢じゃ。宝なんぞあるわけない」と。
その話しを聞いた若者は大急ぎで家に帰り、家の裏を掘りました。
すると金銀・錦の宝がわんさかと出てきました。
どこぞというのは若者が住む地域の呼び名でそこには家が1件しかありませんでした。
とさ。
「どこぞ」というのは私が勝手につけてしまった地名です。
お話しでは別の名前でしたが忘れてしまいました。