私の母親は創作料理ばかり作るひとでした。
普通はメジャーなものをおふくろの味として肉じゃがなどがでてきますよね。
また、家庭によりそこでしか食べられない”おいしい”お料理。
うちでは、何かにつけてオリジナリティと称して不思議な食べ物がお皿に乗ってでてきました。
必ず名前がついていて、たとえば「オーロラソース・あ・ら・ツネ子」とかです。
因みに「あ・ら」のオーロラソースはケチャップにマーガリンが混じったものでした。
香りが妨げあい絶妙なコンビネーションなくささでした。
なんでも「あ・ら」がついていました。
それを言うときの母の顔が思い切り得意げで鬼の首をとったかのようなのは良いのですが
見たことも食べたこともないような不思議な味がしました。
わたしには、「あ・ら」がおふくろの味です。
郷愁に浸りつつも、家に行くと出てくる「あ・ら」はまさに「あら」です。
代表は「いわしの丸ごと焼き・クラシカルソース~あ・ら・ツネ子~」です。
いわしをまるごと焼いてそこにクラシカルソースがかかってあるというものです。
クラシカルソースとは、牛乳に粉カツオとしょうゆが混じっていて仕上げにバターを溶かし込んだものです。