「申す申す」がなまって「もしもし」となったという話があります。なぜ、もしもしになったかですが、
電話交換が開始されるに先立って電話交換の公開実験が催されています。
そのときの模様が、読売新聞に次のように載っています。
『ここにおいて需要者は、聴音器を両耳にあて、器械の中央に突出する筒先を口にあて、先ず「オイオイ」と呼びて用意を問い合わせ、(交換手につないでもらい、相手が出ると)「オイオイ」の声を発して注意し、先方よりの承諾の挨拶あるを聴音器にて聞き取り、それより用談に入るなり』
つまり、電話が開通した初めの頃は、「もしもし」ではなくて「オイオイ」だったわけです。
ずいぶん、いばった乱暴ないい方のようですが、なにしろ、当時電話を持っている人と
いえば、高級官吏とか実業家など、みんな偉いさんばかりだったわけですから、当然
といえば当然なのでしょうね。
この「オイオイ」に対しての受けての応答は、なんと「ハイ、ヨウゴザンス」でした。
この「オイオイ」「ハイ、ヨウゴザンス」が、一般人に広まったころ、オイオイだと乱暴で、相手に失礼なので、これから物を申すという意味で「もしもし」に変わったようです。
ちなみに江戸時代は、人に何かを尋ねるとき「もし、~では」と「もし」は1回だったようです。もしもしと繰り返すのは最近のことのようです。